Il bello e il buono della Toscana
歴史と芸術、自然と食文化が重なり合うイタリア・トスカーナ州。
芸術の都としてよく知られているトスカーナ州は豊かな自然や天候に恵まれ、その恩恵を受けて発達した高品質な食材を使ったシンプルな家庭料理が世界中に広がってきました。
今ではトスカーナ産のEXVオリーブオイルやワインなどもイタリア有数の産地となっており、素朴な家庭料理として生まれたトスカーナ料理もグルメとして世界中で高い評価を受けています。
イタリアは州ごとに素晴らしい食材がありますが、bottega055ではトスカーナ出身の家族とともに現地で選び抜いた日本であまり知られていない伝統色の強いトスカーナ食材を専門に輸入・販売しています。
LA TOSCANA
トスカーナ州とは

イタリア中部の地域トスカーナ州は、フィレンツェが州都で約375万人が暮らしています。
北東はリグーリア州、北はエミリア・ロマーニャ州と隣接し、西側にはマルケ州とウンブリア州があり、南はラツィオ州に接しています。
トスカーナ州の西側は海に面しており、地中海の海域のひとつであるリグーリア海とティレニア海へ続く約400kmに及ぶ海岸があります。
フィレンツェ市はトスカーナの象徴とも言える街で歴史や芸術、経済の中心として栄えてきました。
フィレンツェをはじめ、トスカーナ州は中世時代から残る建築や芸術作品があることで有名ですが、それだけでなく美しい自然も残っていることも特徴のひとつです。
ワインで有名なキアンティ地区やユネスコ世界遺産に認定されているヴァル・ドルチャなど美しい自然が変わらずに残されています。
歴史をさかのぼると具体的にトスカーナ州が生まれたのは、メディチ家が支配するトスカーナ共和国が建国された15世紀頃からと見られています。
徐々に領土が拡大し、現在の領域に近くトスカーナ州の前身とされるのは「トスカーナ大公国(Granducato di Toscana)」という国家で16世紀から19世紀にかけて北イタリアに存在したと言われています。
その後、様々な歴史を乗り越え、1861年に正式にイタリア王国の一部となりました。
地域情報 |
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名前 |
トスカーナ州 |
地域 |
中央イタリア |
州都 |
フィレンツェ |
面積 |
22,987 km² |
人口 |
約 3,750,000人 |
県数 |
10 |
世界遺産 |
7ヶ所 |
公式サイト |
TRADIZIONE A TAVOLA
時代を超える伝統料理と食文化

トスカーナ料理の起源は、田舎風の質素な料理が始まりとされています。
昔からトスカーナの家庭の郷土料理はシンプルな素材をベースとしており、オリーブオイル、肉、野菜など素材の質がとても高いため、ソースやドレッシングを使ったものはほとんどありません。
バターやラードの代わりにオリーブオイルを用い、野菜とパンがたくさん入ったスープをよく食べ、イタリア各地の地方料理に比べ、非常に健康的な食文化を培ってきました。
オリーブとブドウ園はトスカーナの田舎の風景の象徴で、そこからオリーブオイルとワインという代表的なふたつの食材が生まれました。ぴりっとした辛みが特徴の高品質なオリーブオイル、世界中で評価の高いワイン「キャンティ・クラシコ」、「ブルネッロ・ディ・ モンタルチーノ」などトスカーナは誇るべき食材の宝庫です。
有名な塩の入っていないパン「パーネ・トスカーノ」は、12世紀に隣町との戦争中、フィレンツェ内で塩が手に入らなくなったことがきっかけに生まれました。
パンといえば「フェットゥンタ」が定番で、焼いたトスカーナのパンににんにくをこすり、たっぷりのオリーブオイルをかけて食べる昔ながらのヘルシーなファーストフードです。
主食はスープをベースにパンと野菜の「リボッリータ」、トマトのパン粥「パッパ・アル・ポモドーロ」を好んで食べ、パスタは太めの「ピチ」、幅広の平打ち麺「パッパルデッレ」、ほうれん草やじゃがいもを詰めたラヴィオリ「マレンマ風やムジェッロ風トルテッリ」が有名です。
肉料理も重要な郷土料理で、キアニーナ牛のステーキ「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」を筆頭にパンに挟んだ牛もつ煮込み「ランプレドット」、トマトと牛もつ煮「トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ」、フェンネル入りサラミ「フィノッキオーナ」、大理石で熟成したラード「ラルド・ディ・コロンナータ」などがあります。
食事の終わりには、甘いデザートワイン「ヴィンサント」を伝統菓子アーモンド入りビスコッティ「カントゥッチ」やカーニバルのケーキ「スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ」と合わせて楽しんできました。
郷土料理と食材 |
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PAESAGGIO E TERRITORIO
グルメな暮らしを生む豊かな大地

トスカーナ州は、芸術と歴史あふれる街並み、豊かで美しい自然が残り、昔からイタリア国内だけでなく世界中の人々の憧れの観光地です。
中世から栄えてきた花の都フィレンツェ、斜塔で有名なピサ、パリオの街シエナ、塔の街サン・ジミニャーノを始めとしたユネスコにも登録された世界遺産が数多くあります。これらの地域は中世時代の代表的な街であり、現代もユニークで時代を超えた魅力あふれる歴史地区として保存されています。
幾たびも画家によって描かれてきたキアンティ地域は、美しい風景と世界有数のワインやオリーブオイルなど美食が生まれる場所として有名です。評価の高いキアンティワインは、この地で生まれたということは言うまでもありません。
ユネスコ世界遺産に認定されているオルチャ渓谷は、道の両端にずっと続く糸杉が印象的で緑豊かな丘が広がり、空気も大地も澄み渡り、まさに「自然界の天国」と言われる地域です。モンタルチーノやピエンツァ地域など、この地で生まれたワインや伝統食材もトスカーナを代表するグルメの柱となっています。
またトスカーナの最南にも独特の地域マレンマがあります。そこはきれいな海と山、平野が交錯した独特な自然が広がり、南トスカーナの太陽に浴びたトマト、アーティチョークはじめ多くの野菜や野生肉に至る様々な食材の宝庫としてトスカーナの食文化を支えてきました。
ユネスコ世界遺産 |
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1982 |
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1987 |
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1990 |
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1995 |
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1996 |
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2004 |
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2013 |

ARTE E STORIA
イタリアの代表となる歴史と芸術

「ルネサンス文化のゆりかご」と言われているフィレンツェを始め、世界を代表する多くの著名人はトスカーナで生まれました。
歴史上、最も有名なフィレンツェ人は、ダンテ・アリギエーリです。ダンテが書いた傑作「神曲」、イタリア語の基礎はここから作られたほど世界文学史上に刻まれた作品です。
ルネサンス期にはメディチ家フィレンツェ支配の下で前例のない類い稀なアーティストや天才が同時代に台頭しました。
芸術と建築分野を次世代のレベルまで発展させ、彼らの手から渡されたもので現在も輝きを放っているのは、ジョット・ディ・ボンドーネの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の鐘楼」、フィリッポ・ブルネレスキの「フィレンツェのドゥオモ」、サンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「春」などです。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、ルネサンス期を代表する博学者として画家だけでなく、建築、科学、発明など現在も誰も越えることができない人類史上、最も多才な人物であったとされています。彼の才能は、肖像画「モナ・リザ」と宗教画「最後の晩餐」からも見てとることができ、太陽エネルギーの研究や空を飛ぶことへの探究心は時代の先駆けでした。
天才レオナルドに対抗できる唯一の人物は、彼よりも20歳あまり若いミケランジェロ・ブオナローティでした。数々の傑作となった作品の中でもフィレンツェの象徴のひとつとなった「ダヴィデ像」とローマの巨大画「システィーナ礼拝堂天井画」は西洋美術に大きな影響を与えたと言われています。
前述した天才とは一味違うけれど、世界中で読まれている児童文学「ピノッキオの大冒険」の作者カルロ・コッローディもフィレンツェ出身でした。
歴史上の人物 |
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1265-1321 |
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1267-1337 |
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1377-1446 |
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1445-1510 |
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1449-1492 |
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1452-1519 |
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1469-1527 |
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1475-1564 |
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1564-1642 |

Corpo pieno, anima consolata
proverbio toscano